WHY・WHO なぜしているの?
2021年6月から、様々な困難を抱えるご家庭と子どもを訪問にて支える「宅食事業」を行っています。(仙台市からの委託事業)
WHAT なにをしているの?
ご家庭を支えるため、食品を持って各家庭に訪問します。
STORIAでは、約100世帯の家庭を訪問しています。
給食が休みとなる夏休み・冬休みに、また必要な家庭には毎週1回、
子どもたちのご飯や生活用品をお届けしながら、
ご家庭や子どもたちに困りごとがないかをお伺いします。
訪問時にはお菓子を持って行きますが、お子さんたちも元気に迎えてくれて、
感謝のお手紙を私たちスタッフに渡してくれた子もおりました。
また、訪問時に「本を通して子どもの思いを受けとめたい」というスタッフの発案で、
移動型図書館「めぶき文庫」を2021年7月より開始しました。
たくさんの本を積んで歩くのではなく、
訪問を重ねて出会った子どもたち一人ひとりの個性を見て、
私たちが選んだ数冊の本を持ち、訪問の際に本を見ながら子どもたちと会話を重ねます。
子どもたちの表情や、たった一言に心を澄ませ、ありのままを受け止めるそんな小さな図書館です。
―小学4年生のKちゃんと母親のAさんー
お母さんと小さな弟、妹と暮らすKちゃん。
初めて訪問すると、とてもしっかりした対応で私たちを出迎えてくれました。
まるで大人のような言葉遣いで「お母さんは今電話中なのでお待ちください」、
そう言って家の奥に入っていきました。
しばらくすると0歳の妹を慣れた様子で抱きかかえ、
「〇〇と言います、もうすぐ11か月」と妹を紹介してくれました。
しばらくして母親が玄関に来るとKちゃんは母親の顔をじっと見つめています。
その表情には母親に対する一点の曇りもない愛おしさがにじんでいました。
お母さんはそんなKちゃんを見る余裕もなく、お持ちした食料を受け取ってくれました。
持って行った本をお出しすると、Kちゃんは「おおきな木」を選んでくれました。
「ママ読んで」とKちゃんの言葉に、お母さんの表情は少し柔らかく見えました。
訪問を終え、帰り際ふと振り返ると、お貸しした本を両腕で抱きかかえながら遠くで手を振るKちゃんの笑顔がありました。
―これからの「めぶき文庫」ー
訪問で出会う子どもたちとの接点を重ねながら、引き続き子どもたちが内に持っている可能性がより輝くための温かな心のやり取りを続けていきます。
また、訪問する中で新たに見えてきたことがあります。
家庭の状況や自身の疾患により家から出ることができない子どもたちがいます。
訪問してもお会いすることができません。
たくさんの痛みを抱える彼ら彼女らに何ができるのか、STORIAとしてできることは
「居場所」を作ることなのではないかと思っています。
どこにいてもつながりたいときにつながることのできる居場所。
居場所は場所だけのことを指すのではなく、人とのつながりが居場所になると感じています。
そんな新たな居場所の形を実現していきたいと思っています。